カテゴリ:不動産の購入編 / 投稿日付:2024/09/12 09:19
2024年4月1日から相続登記(相続を原因とする名義変更登記)が義務化されました。義務化の対象となる相続登記には、義務化制度がスタートする以前に起こった相続の名義変更登記も含まれます。制度がはじまって3年間の猶予期間内に申請しなければなりません。
相続登記義務化制度は、相続人自身が不動産を相続することを知った日から3年以内に、相続登記の申請義務を課します。また、遺産分割協議による不動産の取得で、遺産分割協議成立の日から3年以内に相続登記を申請いたします。
正当な理由がないのに、期限までに相続登記を申請しなかった場合、裁判所を通じて行政から10万円以下の過料が科される場合がああるので注意が必要です。
相続登記は、多くの場合に相続人全員が協力して行います。しかし期間内に遺産分割協議の合意、登記申請準備が完了しない場合には、「相続人申告登記」という手続きをしておくべきだと思われます。法務局でこの手続きを行った相続人に限り、相続登記の努力義務を果たしたとして罰則の対象外となります。期間満了が近い場合には、この救済制度を活用してみましょう。
土地の名義変更登記の流れは下記の通りになります。
(1)必要書類を揃える
(2)登記申請書を作成
(3)法務局に提出する
(4)登記識別情報通知を受け取る
それぞれについて解説します。
(1)必要書類を揃える
登記の必要書類とは、登記原因(所有権が移転する要因、売買や相続や贈与等)の事実が証明できる書類を添付します。登記原因により証明すべき事項が異なるので、必要書類も若干異なります。例えば、売買ならば土地売買契約書、相続なら被相続人および相続人全員の戸籍や遺産分割協議書等です。
(2)登記申請書を作成する
登記申請書は、先に掲載したひな形を参考にし、必要事項を自分の相続内容に書き換えて作成いたします。作成は、手書きでもパソコンで作成しても、どちらでも問題ないです。
相続関係説明図にも統一書式はないので、手書きもしくはパソコンでわかりやすい関係図を作成いたします。添付した戸籍一式の原本を、登記完了後に法務局から還付してもらうために必要な書類になります。
登録免許税は下記のいずれかの方法で納税いたします。
- あらかじめ金融機関で納税した領収書を登記申請書へ添付する
- 登録免許税額相当の収入印紙を購入して登記申請書へ添付する
(3)法務局に提出
必要書類と登録免許税納税の証明を添付した登記申請書を、相続する土地を管轄する法務局の申請窓口へ提出すれば、登記申請自体はこれで完了です。
(4)登記識別情報通知を受け取る
土地の所有者が、登記申請書どおり新たな相続人へ変更登録すると、法務局は「登記識別情報」の発行によって、無事に登記が完了したことを申請人へ通知いたします。この登記識別情報は、紛失した場合に法務局へ依頼しても再発行できません。
登記識別情報とは、アラビア数字やその他の符号を組合せた12桁のパスワードで、番号をシールで目隠しした状態の台紙が新たな登記名義人へ渡されます。ただし、3ヶ月経っても登記識別情報を受け取りに来ない場合、法務局側で破棄されます。この登記識別情報は不動産の真の所有者しかもってない、秘密のパスワードなので、登記申請において本人確認方法のひとつとして使われています。